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2024年のサヨナラ(リリーへ)

  • 執筆者の写真: Tomomi Abe
    Tomomi Abe
  • 2024年12月31日
  • 読了時間: 3分

更新日:1月1日




年末、特に大晦日がどうも苦手だ。

途端に目まぐるしくなった時と街の流れにどうにも急かされている感じがして、胸のあたりがあっぷあっぷと苦しくなる。できるだけ穏やかに過ごしたいけれど、一人になったとて迫る年越しの瞬間に向けてどうしたらいいのかわからない。多分毎年心の準備ができていないんだと思う。


思えば今年は低空飛行で、人に助けられてばかりの一年だった。

一昨年の個展を終えてからの燃え尽き症候群から復調せず、身体的にも精神的にもしんどい時間が続いた。そもそも体と心は結びついているのでどちらか調子が悪ければ引っ張られてしまうのも当然のことである。どちらも調子が良いのが理想だけれどなかなかそうはいかず、延々とトンネルの出口が見えないようなとにかく苦しい思いしかしなかった。

故に折角の展示も、夢だった撮影も正直なところ本調子ではないまま臨んでしまい、「良い写真」と言ってもらえたものの、その大半が歯痒い心情のまま終えてしまった。不甲斐ないし情けないし、なにより悔しさしかない。そして楽しく幸せなはずの思い出もその実感を十分に味わえず、特別になるはずだった30歳の誕生日の夜は、鴨川に映る京都タワーを眺め歩きながらひとりぼろぼろ泣いたのだった。


そんな調子だったので、今年後半は特に「自分の在り方」を改めて見直した。

「無理をしない」なんて本当は言ってられない状況だけども、やはり身体が資本なのでスケジュールを見直して組み立て直したり、できる限り省エネで過ごすことに努めた。復調まではまだ程遠いが、なんとか無事平穏な日々を過ごせている。それでいても、不安は尽きないのが本音だ。


「自分の言葉で自分に呪いをかけてしまってはいないか」と最近よく思う。

先回りした予測とその課題に向けて対処法を考えて実行するのは大切なことだけれど、考えすぎてどんどんネガティヴな思考に溺れてしまう。ただでさえ誰かの嫌悪を目にしてしまい、心身をすり減らしてしまうことも数えきれない。単純に疲れ切ってしまっている。

「〇〇歳までに〜〜〜しないと」とはよく言ったもので、その言葉の真意もよくわかるが、まるで自分に呪いをかけてしまってはいないか、とも思う。ある程度の人生設計や見通しを立てることの大切さもわかる。でも、果たしてそれが完全に上手くいった試しはあるのだろうか?

今、この瞬間、幸せだし恵まれているとも思うけれど、果たしてこのままで良いのか?との迷いも拭えない。だけど、無理に流れに逆らったり流れを作る気力も底を尽きかけている。でも、なあなあに生きたとてそこに安らげる未来はあるのか?そんな自問自答を繰り返していたら、30歳の折り返し地点はとうに過ぎてしまった。私は流れに身を任せることがとてつもなく怖い。

それでも今はこんな調子なので、冬眠のごとく黙々と力を蓄えながらある程度の流れに身を任せてみようかと思う。


完全に思い通りになる未来などあるわけがない。けれど、その都度できる限りのベストを尽くした末に辿り着いた今日を生きている。低空飛行の日々はもう少し続きそうな気がしていて、出口はまだ見えない。

今年はより寂しい思いをした一年だった。言葉を選ばずに綴るなら、これ以上寂しい思いをしたくない。みんな元気でいてほしい。それが実現する世の中であってほしい。

心の奥底から純粋に強く、ただそれだけを願っている。

来年はどんな年になるだろうか。なるべく楽しく笑顔が多い年であってほしい。

そんなことを思いながら、厚手のマフラーを巻いて静かな街へ繰り出してみる。


2024年も大変お世話になりました。

来年もよろしくお願いいたします。


良いお年をお迎えください。



 
 

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